日本語教師の資格を有している人にとって海外で日本語教師として働くことに興味を持っておられる人も多くいることでしょう。特に海外の中でもアメリカでの生活にあこがれ、アメリカで日本語教師として活躍したい!と思っている人も多くいます。
では、アメリカで日本語教師として働くために必要なVISAや需要、給料、生活などの情報をご紹介していきましょう。
米国派遣プログラム
若手日本語教員(J-LEAP)
J-LEAPとは、Japanese Language Education Assistant Programの略称で、国際交流基金が行っている事業です。
2010年から行われている派遣企業のひとつで、若手日本語教師がアメリカでアシスタントティーチャーとして受け入れ機関である小学校や中学校などで活動します。主に、授業、宿題、テスト評価、カリキュラム作成などのサポートを行い、日本の文化や社会理解を深めるといった活動にも携わります。
アメリカで日本語教師として活躍したいならこの派遣事業に募集し、日本語教師としてアメリカの受け入れ機関に派遣されるという方法を活用することもできます。日本語教師としての経験を積み、リードティーチャーがどのように授業を進めているのかすぐそばで見ることができるます。派遣期間はおおよそ2年ほどです。
こうしたトレーニングの機会を通して、日本語教師としてのスキルアップもできますね。派遣前の研修やアメリカについてからも研修、フォローアップ研修なども用意されているので安心して取り組むことができると思います。
応募資格
以下、すべての条件を満たす方
☆日本国籍を有し、日本語を母語とする者。
☆満35歳未満である者。
☆4年制大学卒業以上の学歴を有すること
☆以下のいずれかに該当する者
・大学または大学院で日本語教育を主専攻または副専攻として修了している。
・日本語教師養成講座(420時間)を修了している。
・日本語教育能力検定試験に合格している。
☆心身ともに健康で、2年間の米国での業務や生活に対応できる健康状態であること。
☆普通自動車第一種運転免許を取得していること。
☆派遣前研修に全日程宿泊参加できること
☆業務を行う上で必要な基本的な英語力を有すること。
参照元:国際交流基金 米国若手日本語教員(J-LEAP)
https://www.jpf.go.jp/j/about/recruit/j-leap_2019.html
米草の根交流コーディネーター派遣(JOI)プログラム
日米センターのローラシアン協会が共同で行っているプログラムになります。日本との交流する機会が少ない地域に派遣され、教育機関で日本の文化を紹介したり、イベントの開催などをします。2年間コーディネーターとして派遣されます。実際に日本語の授業を行うというより日本の文化や社会について情報を提供することが主な活動になるようです。JOIではJ-LEAPとは違い年齢制限や日本語教師の資格を持っていなくても応募が可能のようです。
応募資格
以下、すべての条件を満たす方
☆日本国籍を有すること
☆四年生大学卒業以上の資格を有すること
☆普通自動車免許を有すること
☆英語による業務の遂行が十分可能であること
☆基本的なパソコンスキル(ワード・エクセルなど
☆心身ともに健康で、2年間業務を遂行することが十分可能であること
☆海外における国際文化交流事業に関心がある肩
☆国内で開催される選考試験、研修会に参加できること
参照元:国際交流基金日米センター 日米草の根交流コーディネーター派遣(JOI)プログラム
https://www.jpf.go.jp/cgp/fellow/joi/joi_program.html
VISA取得に関する情報
現在アメリカでビザを修得することが大変難しくなっています。移民が多く締めているアメリカで自国民の雇用を守る必要があるため専門職の定義が厳しくなっています。そのため就労ビザを得ること自体難しくなっています。特に日本語学習者が他のアジアの国などに比べ全体に少ないため、既に永住権を持っている在米日本人教師やアメリカ人の日本教師で需要を満たしているのが現実です。企業が学校が、日本から就労ビザを発給して日本語教師を採用することはかなり少ないのが現状といえるでしょう。また、最近では日本語教師には修士号取得者で日本語教師経験者という条件が必要になっています。それ相応の学歴や学位、受け入れ期間などがある人は検討してみることもできますね。
日本語教師の需要や給与
アメリカでは、他の欧米などの先進国と同じように、趣味で日本語を勉強したいと言う人が多く、日本語が上達しなくても生活や仕事に影響が出ないため積極的な学習者が少ないのも事実です。日本語を学び始めたころは日本語で会話したい、アニメを字幕なしで楽しみたいという目的で日本語学習を始める生徒が多いようです。
しかし、初級を終えても中級に上がる必要がなく、結果初級で日本語学習をやめてしまうというパターンがとても多いです。そのため語学を専攻する学生がとても少なく、専攻する科目が忙しくなると日本語が疎かになり、あきらめてしまう、というケースが多いようです。
そのため全体に日本語教師の需要は少なく、働ける場所も全体に多くはありません。
アメリカの大学で日本語教師を行った場合、週休二日で月24万(2,300ドル)と日本語教師の給料は高くありません。生活ができても飛行機代や保険代などを考えるとなかなか生活することが厳しいと言えるでしょう。中には日本語教師をボランティアとして考えて、給料が安くても海外で得られる経験と考えて生活している人たちもいるようです。
アメリカでの生活
新しい環境の中で、授業のカリキュラムを構成するのに時間がかかることもあります。また、日本と環境や文化、気候、習慣などが異なるため慣れるために時間が必要になります。また、日本語教師として働き始め、環境も大きく変化するためストレスもかかりやすいでしょう。
まずは、地元で生活や仕事について気軽に相談できる友人を見つけ、いろいろアドバイスをもらえるなら生活はずいぶん楽になると思います。そのためにはもちろん、英語でのコミュニケーションが必須ですから、英会話が苦にならない人の場合はアメリカでの生活のストレスは少ないでしょうね。
まとめ
現在では日本語教師としてアメリカで働くにはかなりハードルが高くなっているのが現状ですが、まったく可能性がないわけでもありません。
相応の学歴や学位があり、就労先や受け入れ機関などが見つかりそうな場合は、日本語教師としてスキルアップや経験を積むためにも一度チャレンジしてみるといいかもしれませんね。もしすでにアメリカで日本語教師をしている友人などがいるなら、受け入れ先を紹介してもらうこともできるでしょう。
日本語教師としてアメリカで働いてみることで視野が広がり、新たな発見ができるかもしれません。