日本語教師は、海外で働きたい方にとって気になる働き方の一つ。一定の要件さえ満たしていれば、海外で日本語教師として働くことができます。日本から近く、物価も安くて人気の高い国タイ。この記事ではタイで日本語教師として働くことについてご紹介します。
日本語教師をするなら東南アジアがおすすめ
東南アジアには日本語を学んでいる人、学びたい人が多く住んでいます。日本語を学んでいる外国人の国籍別ランキングを見ても、タイは7位にランクイン。約7000万人の人口の内、約12万人が日本語を学んでいます。一方、タイをはじめとする東南アジアの人は、仕事で使うために日本語を学ぶ人が多くいます。
タイで日本語教師をするのに必要なもの
ビジネスビザ
Non-Immigrant “B (Business Visa)”を取得することが一般的です。
申請時期や申請場所、延長の有無などによって提出書類が大きく異なりますのでタイの移民局のページ等を参考に調べる必要があります。
基本的に民間の学校も国公立の学校も日本人を採用する時にビザの手続きをしてくれます。学校によっては、観光ビザで入国後に正規のビザを発行してくれるところもあります。採用時にビザの手続きについて確認する必要があります。
タイで日本語教師をするのに必要な資格
必ずしも教員免許や大卒資格が必要ではありません。タイの求人を見ると、多くの場所では下記のような条件が提示されています。
・1~3のうち1つ以上の条件を満たす必要があります
1.日本語教師養成講座修了
2.日本語教育能力検定 試験合格
3.大学または大学院で日本語教育を専攻
・大学卒以上
・45才以下
日本語教育の経験がない場合は、最初は日本語教師養成講座420時間の受講することをおすすめします。養成講座では講義を聴くだけではなく、実際に模擬授業をして練習することができるからです。日本語教育能力検定は筆記試験になりますので、実践力を身につけることは難しいです。私は小学校で教えていた経験はあったのですが、日本語の指導法には詳しくなかったので養成講座に通っていたことが自信に繋がりました。
日本語教師としての働き方
「タイで日本語を学ぶ人は日系企業に就職を希望している人が多い」と述べましたが、それ以外にも多くの人が日本語を学んでいます。
教育機関で教える
・小中高
50人程度のクラスで日本語を教えることができます。第二外国語として日本語を選択する生徒に教えることが多いです。
・大学
国立大学の場合は賢く勉強熱心な生徒が多いため、教師側としても授業が行いやすい特徴があります。コピー機やネット環境、プロジェクター等が揃っている点もありがたいですね。私立大学で教える場合、日本語を勉強したことのない学生が多かったため、大変なこともありました。タイの私立大学は、入学試験が無いのです。あまりやる気のない生徒をいかに楽しませるかなど試行錯誤が必要です。日本から使えそうな教材を多めに持っていくことをオススメします。
・日本語学校
タイでも日本語学校があり、日本での進学や就職を目標としている学生が多く学んでいます。また、大学等よりも求人数が多いのが特徴です。
日系企業で教える
日本で頑張りたいと考えている真剣な人は熱心に授業を受けてくれます。しかし、中には会社側から強制的に授業を受けさせられている人も。学習意欲の差が大きいようです。
日本の啓蒙活動として子供に教える
幼稚園児を含めた小さな子供に日本語を教えることもあります。こちらは常勤ではなく、休日のイベントとして企画されることが多いです。
プライベートレッスン
自分で生徒を集め日本語を教えることになります。また、オンラインでもプライベートレッスンも可能ですので、ご自身の生活に合わせた働き方ができます。その他には学校の生徒へ個別レッスンも行うこともできます。
仕事の見つけ方
民間の学校だけではなく公立の教育機関も求人サイトに載っていることが多いので、定期的にチェックするといいでしょう。また、日本語教師養成講座では求人の紹介も行っているところもあるので求人について聞いてみるのもいいでしょう。
タイの日本語教師の給料
タイでは求人が多く、約1400人の日本語教師が活躍しています。しかし、決して給料が高いとは言えません。最低5万バーツ(約16万円)と決められていますが、税金を納めると約11万円になることも。居住地が支給される場合、給料自体はさらに低くなりまます。
日本語教師がタイの現場で求められること
1 会話練習を中心に担当すること
2 積極的にタイ人と交流すること
3 タイ人の先生とチームワークをしっかりとること
この3つがタイの現場で求められています。私は主に会話を中心に担当し、後は作文やビジネス日本語、歴史等も担当していました。学生は日本人と交流する機会が少ないため、私は積極的に教室内外でも話をするように心がけていました。また日本語の指導はティーム・ティーチングで役割分担が決まっているのでタイ人の先生とのコミュニケーションも大切です。
タイ語と英語は必修?
授業自体は直接法(日本語だけで教える)が主流ですが、先生同士の会議は英語やタイ語で行われます。英語が全く話せないと、現地での生活は難しいでしょう。タイ語をある程度学んでいると信頼度も上がります。相手は外国語を学ぼうとしているわけですから、こちらも相手の母語でコミュニケーションを取る姿勢を見せると好印象ですね。
まとめ
タイでは日本語教師の需要も他国よりも高く、働きやすい国の一つと言えます。それでも勤務場所によって待遇は異なります。下調べと準備は必須です。また、タイで働いたことがある方にも話を聞いてみるのもいいでしょう。
タイの日本語教育機関では日本人の先生は会話指導が中心となります。職場では積極的にタイ人の学生や先生ともにコミュニケーションを取るようにしましょう。給料はタイの現地の人と同水準の暮らしをするなら十分でしょう。