教室での生徒とのコミュニケーション-生徒が成長し、喜ばれる話し方とは

日本語教師として授業をしていて特に難しいと感じるのが、授業での生徒とのコミュニケーションです。
例えば、「教室では生徒の間違いをしっかり指摘してあげたい」と思う反面、「生徒と会話を楽しみたい」と思います。
「生徒にたくさん話してもらいたい」と思う一方、時にはこちらが話しすぎてしまうことも・・・。
私自身まだまだ改善点が多く、生徒とのコミュニケーションについてはもっと成長したいと常日頃感じています。

そこで、この記事では「こうしたら生徒とのコミュニケーションがうまくいった」というアイデアについてお伝えします。

生徒の話の聞き方

コミュニケーションはまず聞くことから始まりますね。
でも、授業ではついつい「生徒に何を言うか、どう説明するか」に気が取られて、生徒の話を聞くことまで気が回らないこともあります。
一方、教師が真剣に生徒の話を聞くように努力すると、生徒の満足度もかなり変わってきます。

例えば以下のような点に留意することができます。

  • 姿勢
  • アイコンタクトを重視する
  • 感情移入しながら聞く
  • あいづちを打ちながら聞く

姿勢

まず教室で生徒と向き合うときの姿勢はいかがでしょうか。
例えば腕組みしながら、足を組みながらでは生徒から見ると教師の態度はいくらか高圧的に見えてしまいます。
また椅子に座っていても、深めに座り後ろに反り返っていると、「ふんぞり返っている」ように見えてこれもまたあまりいい印象ではありません。
生徒がリラックスして話せるよう、教師もゆったりとした雰囲気で立つか、浅めに座るようにするといいですね。

教師の目線はいかがでしょうか。
例えば生徒が机に座っていて、教師が立って授業をしていると目線が生徒より上からになってしまいます。
生徒は教師を見上げる位置になってしまい、こちらが意図しなくても教師の話し方が「上から」に聞こえてしまいます。
これも少し工夫して、できるだけ教壇に立たないようにしたり、座ったり、いくらか前屈みになるなど、なるべく生徒と目線をあわせて話すようにできます。

こうすることで生徒もこちらの目を見て話しやすく、会話しやすいですね。

アイコンタクトを重視する

教室では、教師は教科書やノートを手にしながら授業をしています。
「次は何をやろうかな?」などとノートをめくりながら話を聞いていると、生徒が話している時にもついつい目線が教科書に向いてしまいます。
時には、先生の側が生徒の話しを上の空で聞いてしまうということもあるかもしれません。
アイコンタクトは会話の基本ですから、生徒が話しているときには極力先生もその話している生徒の方に体も顔も向けて話を聞くようにしましょう。

感情移入しながら聞く

会話も同様で、生徒が習っている日本語を使って適切な感情をこめながら話せるようになるのが目標です。
生徒が感情をこめて話せるようには、先生の側にも工夫が必要です。

生徒の話を聞く時に、先生も話に感情移入する必要があります。
例えば、楽しい話や生徒が好きな物について話しているときなど聞くことができます。
一方、生徒の苦労話や、大変だった話を聞くときは、悲しそうな表楽しそうな表情で微笑みながら情や、つらそうな表情で話を聞くことで生徒の話にも一層感情がこもります。

ポイント
生徒の話を聞くときは目も体も心もそちらをむいて!

あいづちを打ちながら聞く

あいづちもコミュニケーションには欠かせない重要な技術です。
教室であいづちをしていても、ついつい「生返事」のような感じになってしまうこともあります。
また、ついつい「文法的に正しいか」とか、「もっと的確な言い方はないのか」という評価目線で話を聞いてしまいあいづちを忘れてしまうことすらあります。
教室ではできるだけ生徒の話を引き出すせるよう、積極的にあいづちを打つ必要があります。

例えば、「へ~!」「うんうん」「ふんふん」「え~!」などと生徒の話の腰を折らずに感情移入しながら話を聞きます。
場合によっては「それで?」「どうなったの?」などとあいづちも打つことで、生徒の発話を促すこともできます。
また、上手な相づちは日本語上達にも役立ちますから、先生が生徒のお手本、サンプルになることができます。

生徒が言い間違えたときには、「あ~、○○ですね?それで?」などとあいづちを打ちながら正しい表現を繰り返します。
こうすることで、自然な仕方で正しい表現を伝えることもできますね。

ポイント
会話上手は相づち上手!先生は生徒のあいづちのお手本に

話し方

教師は生徒にとって日本語のモデルにもなる存在ですから話すスピードも「わかりやすく、聴きやすい」が基本です。
特に初級のクラスでは意識してテンポや語彙を調整する必要があります。
ただいつまでも初級クラスのようなゆっくりしたスピードで話していては、生徒の進歩を促すことはできませんし、生徒は教室の外でも違和感のある日本語を話すようになってしまいます。

特に中級、上級のクラスでは生徒の理解に応じて、テンポを調整することができます。
具体的には、生徒が「完全に理解できる」よりも「少し早いな」と感じるくらいのスピードで話していくように調整することができます。
話すテンポは生徒の理解力の120%くらいがちょうどいいようです。

生徒が話しているときに文法や語彙の誤りに気付くことも多々ありますが、その都度話の腰を折っているとなかなか話が進まないことがあります。
間違いは聞きながら簡単にメモをとり、まず生徒が言い終わるまで話を聞いてから後でまとめていくつかを伝えるようにすることができます。

特に中級から上級のクラスになると、むしろ自然な会話を楽しみたいというニーズもありますから、10~20分くらいまとまった時間会話を楽しみ、改善できる点や言い方などはその場で簡単にメモしておいて授業の後半にまとめて伝えるようにします。
こうするなら、会話も盛り上がり、間違いもしっかり指摘してもらえるので、生徒の満足度も上がりますね。

ポイント
話すスピードは生徒の理解力の120%ぐらいを目指して

評価の仕方と褒め方

日本語教師目線で生徒の話を聞いていると、ついつい表現の間違いばかりに気が取られてしまい、授業中はただ教える、間違いを指摘することに集中してしまいがちです。
とはいえ、生徒も日本語の成長を実感するために「できている点をほめられ、評価される」必要があります。
良くなっている点、改善で来ている点はその都度しっかりとわかりやすくほめる必要があります。

褒める時はわかりやすく「いいね!」「うまくなっているね!」とか、手で「グー」のジェスチャーをしたり、拍手したりして生徒が「褒められている」と感じられるようにしましょう。
特に初級~中級くらすでは、生徒もまだまだ会話ができずもどかしく思う場面も多いですから、教師の積極的な評価が生徒の成長を促し、さらにやる気が出てきます。

ポイント
しっかりわかりやすくほめることで生徒のやる気もUP!

まとめ

こうして、教室でのコミュニケーションについて考えてみると、教室での上手なコミュニケーションは実生活でのスムーズなコミュニケーションとも共通点がありますね。
教師自身が人としてしっかりと会話ができるよう、日頃から努力していくのが一番ですね。

「話し上手は聞き上手」を意識して教室で生徒たちと上手にコミュニケーションしていきたいですね。