四大卒でなくても日本語教師になれるのか

日本に在留する外国人がどんどん増える中、これから日本語教師を目指そう!と考えている方も多いようですね。また、「海外で日本語教師をしてみるのもおもしろそう」と漠然と興味を持つ方もいるようです。

そんな中「日本語教師は四大卒でなくてもなれるの?」という疑問はよく耳にします。
では、日本語教師の仕事に就くために四大卒は必須条件なのでしょうか?

今回は、私個人の友人や知人の経験も踏まえて、この疑問にお答えしたいと思います。

日本語教師になるためには四大卒じゃなきゃだめ?

 

結論から言うと日本語教師になるために、四大卒は必須ではありません。大学中退、短大、専門、高校卒でも日本語教師になれます。

実際、日本国内で働く日本語教師の中にも四大卒でなくても日本語教師の仕事を行っている人もいます。実際、日本語教師の仕事は大卒だから、といってできるような仕事ではなく、専門性の高い仕事です。多くの学校で採用担当をしている方がよく言うのは、「経験のある先生」、「やさしくて生徒に人気のある先生」、「教え方が上手な先生」が上位を占めます。

理想の教師像で、四大卒とか大学の専攻が言語教育関係、という意見を聞くことはまずありません。学歴は日本語教師として働く、その現場ではほとんど意味を持たないんですよね。とはいえ四大卒でない場合、仕事を探すのに難しい面があるのも事実です。

大卒でない人が日本語教師の仕事を探す際の難しさ

四大卒でない日本語教師が日本で働く場合

常勤雇用の仕事を探す場合、日本国内の日本語学校では4年制大学卒の学歴を要件にしている学校がほとんどです。

法務省公示校の求人要件は以下のようになっています。

  1. 大学/大学院で主/副専攻
  2. 四大卒+日本語教師420時間養成講座修了
  3. 日本語教育能力検定試験
  4. その他(1)~(3)と同等以上の能力があると認められる者

つまり、四大卒は日本で日本語教師になるための重要な要件の一つです。
四大卒ではない人が法務省告示校で働く場合には検定試験に合格することは必須です。

詳しくはこちらをご覧ください。

日本語教育能力検定試験は、毎年合格率約25%程度の難易度の高い試験です。いろいろな通信講座で日本語教育能力検定試験対策をしているものもありますから、こうした講座を受講してコツコツ勉強するのも一つの道ですね。

他にも、仕事をしながら通信の大学を受けて大卒の資格を得る、というのも一つの道かもしれません。実際わたしの知り合いにも放送大学など資格を得られるよう奮闘している同僚もいました。

他にも、非常勤講師としてなら四大卒でなくても働ける学校もあります。とはいえ非常勤講師だと安定した収入を得るのは難しいかもしれませんから、アルバイト程度の収入にしかならず、副業ということになってしまうでしょう。

四大卒でない日本語教師が海外で働く場合

海外で就労する場合には、必ず就労ビザが必要です。多くの国では、日本語教師が就労ビザを取得する場合、四大卒であることが要件の一つとなっています。
もちろん国によって、状況によっていろいろな状況がありますから、四大卒でなければ絶対にビザが取れないというわけでもないようです。

実際、私の知人たちも四大卒でなくても海外で日本語教師をしている人もいます。国によっては、ビザの発給も会社や学校によっていろいろな方法で取ってもらえる場合もあります。
四大卒なら可能性は広がりますが、四大卒でないからといって、すぐにあきらめる必要はないようです。

ちなみに、さきほど話した放送大学で大卒資格を頑張って所得した友人ですが、専門卒で日本語教師として活躍していましたが、その後台湾で日本語教師の仕事を見つけたのことでした。その友人曰く、「四大卒の資格を通信で持っていたおかげで仕事もすぐに見つかり、就労ビザも取れ、海外で安定して生活できている」とのことでした。その友人の場合は日本語教師経験者ですし、仕事は見つけやすかったようです

まとめ

ここまで考えてきた要点をまとめると・・・

  • 日本語教師の現場で学歴はほとんど関係ない
  • 仕事を探すときや海外でビザを取得するときには四大卒が有利

ということでした。

どんなことにもメリット・デメリットがあるのは事実ですが、難しいからとあきらめてしまうのでは残念ですね。

不利な状況であることを承知の上で、今できることに集中し、コツコツあきらめずに勉強を続けられる人が日本語教師として成功しているように思います。
日本や海外で働く私の友人たちの多くがそういう人たちです!

というのも、日本語教師の仕事は給料がいいわけでなく、他の仕事との掛け持ちをしている人もたくさんいます。授業の準備にも時間がかかり決して楽な仕事ではありません。