新型コロナウイルスの情勢により、学校や資格スクール・習い事教室等様々な業種において、授業形態の変換期となりました。
多くの学校や資格スクールは、「オンライン授業の導入」「時差通学」等、初めての試みと言える対応方法を余儀なくされました。
また、コロナ禍においては多くの企業が厳しい状況にあり、ご自分の将来を案じている方も少なくないと思います。
「本業が厳しい状況だから新たな道を検討したい」「外出する機会が減り、在宅中にできる有意義な時間を過ごしたい」等、なにかを始めるときのきっかけは人ぞれぞれですが、その選択肢の中に【日本語教師】はありますでしょうか。
まずは日本語教師の働き方からお話したいと思います。
日本語教師の働き方、特徴
【就職先】日本語教師の資格取得後に活動が可能な就職先です。
■日本語学校(国内・国外)
■小・中・高等学校や専門学校、インターナショナルスクール
■外資系企業での日本語レッスン
■技能実習生への日本語教育
■ボランティア教室
■ZoomやSkypeを利用したオンラインレッスン
【働き方】
■非常勤講師
主には授業を担当し、給与はコマ給です(1コマ:約1,700円~)。週1、2~勤務が可能で自分のライフスタイルにも合わせやすい。
■専任講師
主には授業を担当します。非常勤講師に比べ就業時間も長くなり仕事量も増えますが、お給料が安定します(約20~25万円)。
■常勤講師
授業だけでなく学生の生活指導やイベントの企画運営、学生の営業活動等業務は多岐に渡ります。責任も増しますがやりがいもその倍あります。
このように、ご自分のライフスタイルに合わせて出勤日数を契約内容に合わせて調整することや、勤務場所も国内・国外問わず、またオンラインレッスンであれば在宅勤務も可能と幅広い選択肢があるのが日本語教師の特徴です。
子育て中の方や副業、セカンドキャリアとして検討をされている方も多いです。
コロナ禍において養成講座の受講形態はどうなっている?
今、受講を開始しようとすると気になるのが「受講形態」。できる限りは外出を控えながら、受講ができるような環境が望ましいと言える状況であるかと思います。ただ、「’完全オンライン授業’となると理解が追いつくか不安」、「ある程度は通学でライブ授業が受けたい」といったお声も聞こえてきます。
以下、養成講座の一例をご紹介します。
完全対面授業 :設備・環境が整っておらず今までの授業形態を踏襲。
完全オンライン授業:受講生全員がZoom、Skype等を利用してのオンライン授業
(学校によっては講師も在宅で授業を実施)。
録画映像を配信 :双方向のオンライン授業は難しく、学校で録画した講義動画を配信し視聴する。
ハイブリッド型授業:呼び名は学校により様々であるが、「オンライン授業と登校授業のミックスした授業」。
登校希望者は登校で自宅受講希望者はオンラインという、受講生が受講形態を選択できる授業スタイル。
学校により受講形態が大きく異なるため、入学前には各学校に問い合わせて、自分にあった受講スタイルで学習できるのが望ましいでしょう。
コロナ禍だからこそ求められるスキルとは?
日本への入国制限がかかっている状況等、以前のようには留学生やビジネスマンも日本に入国しずらい状況が少なからず続いています。
そんな中でも採用を勝ち取るために、以下のスキルが特に求められると言われています。
・ITスキル
オンラインレッスンがメジャーになりつつある今、PCの基本操作ができることはまず必須条件となります。
その上でオンライン受講者にも行き届いた授業を展開できるか視野の広さも問われてきます。
学校によってはアナログ形式を重んじているところもありますが、多くはデジタル形式に移行してきています。
養成講座受講中にある程度、オンライン授業とはどのようなものか知っておければ多少有利かもしれません。
コロナ禍での就職は難しい?
コロナ禍で就職活動をすることに不安を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
求人数の状況
新型コロナウィルス感染症が流行する前と比べるとやはり求人数は減っているのが現状です。ただし、元々日本語教師が不足していたことから全く求人がない!ということではありません。
新入生の入国できない状況が続き、クラス数が減っていることが大きな要因のようです。
しかし、2022年4月から入国制限も徐々に緩和されていき、少しずつ新入生も入国してきている状況で求人数も徐々に増えて来ました。
また、オンラインで受講する地域も拡大していることから、オンライン講師のニーズは引き続き高まったままです。
日本語教師に求められる条件
オンライン授業を展開する学校の増加やオンライン講師の需要が増えてきたことから、
求められる日本語教師像も変化しています。
・ITスキル
オンライン授業が一般化しつつしている今、ICT化に関して抵抗感なく対応できる教師を求める求人が増えてきています。
今後はより一層ITスキルが求められることが多くなるでしょう。
・柔軟性、対応力
状況の変化が激しい中で、柔軟に対応できる人材が必要になってきていることから、常に新しいことを取り入れ、対応できるスキルが必要になってきています。
就職活動を意識しながら日本語教師の資格を取ろう
日本語教師になるための勉強と並行して、日本語学校の求人の状況を確認しておくことをお勧めします。資格取得後から就職活動を意識するよりも、就職活動のスタートを早くきれるからです。
日本語学校は基本的に通年採用で、日本の一般的な新卒の就職活動よりも転職活動に近いイメージを持たれると分かりやすいのではないでしょうか。
通年で採用しているので、日本語教師を目指す人は資格が取れていなくても、どんな求人が出ているのかを確認しましょう。求められている人材像や取り組むべきことが見えてきます。
日本語学校の就職活動をする前に準備すること3選
資格を取得する前から就職活動を意識して求人情報を調べるのは分かったけれど、もっと具体的に準備することを知りたいと思う人も多いのではないでしょうか。そこで就職活動前に具体的にやっておくと良いことを3つご紹介します。
自己紹介と志望動機を準備しよう
民間企業の就職活動でも自己PRとして、履歴書や職務経歴書の作成が必要です。日本語教師も民間企業の就職活動と同様です。
・自己紹介(今までのあなたのPR、強みや弱み、過去の経験から得たスキル)
・志望動機(これからのあなた、なぜその企業・学校で働きたいのか、どのような利益をもたらすことができるのか)
この2つを答えられるようにすると良いとよく言われます。日本語学校の就職活動でも同じです。
今までの、あなたのキャリアや経験を棚卸し今までのあなたの魅力をアピールできるように準備しましょう。そして何故、日本語教師になりたいのかを、あなたの言葉で答えられるようにすると面接の時に慌てずに済みます。
また、大学や養成講座に通っている人なら面接の対策も受けられるかもしれません。信頼できる人に、あなたが何故、日本語教師になりたいのかを言葉で伝えらえるように日々練習をしておきましょう。
模擬授業の練習をしよう
日本語学校の採用試験では、模擬授業を行う場合がほとんどです。
検定試験に合格だけして実際に教えた経験がない人は模擬授業でつまづく可能性が高いです。
国内の日本語学校に就職を希望するなら特に模擬授業の練習をしておきましょう。養成講座の人は模擬授業の練習をすることが多いので、日々の講座の模擬授業をしっかりこなしましょう。
『みんなの日本語』を、あなたならどうやって教えるか考えよう
日本語教育の教科書で代表的なのが『みんなの日本語』です。特に初級日本語の指導の現場で大きなシェアを持っている教材です。
国内外の日本語教育の現場で使われている教材なので、模擬授業では『みんなの日本語の14課』の「て形」の導入をしてみてください等、と事前に課題が伝えられることもあります。
日本語教育検定で資格を取得した方も『みんなの日本語』の教科書を使って模擬授業の練習をしておくといいでしょう。
単に教科書指定なしで模擬授業をすることもありますが『みんなの日本語』で、どう教えるかを事前に考えておくと実際に現場に出た時にも慌てずにすみます。
日本語教師の仕事を探そう
最近はベトナム人やネパール人の留学生の急増に伴い日本語学校も増えてきています。
一般的な民間企業の求人広告サイトでも日本語教師の求人が見つかることもあるので確認してみると良いでしょう。
しかし、求人サイトに応募するとコストがかかることから広告費のかからない媒体に求人を掲載している日本語学校も多いのです。
ここでは代表的な日本語学校が求人を出しているWEBサイトをご紹介します。
・日本語教育学会
国内の日本語学校だけではなく国内外の大学や国際交流基金関連の求人も出ています。
気になる求人があったら養成講座修了見込みでも積極的に応募してみてください。
・日本村
台湾の会社が運営している日本語教師の求人サイトです。こちらも国内外の日本語学校の求人が多く掲載されます。
日本語教師の求人は日本語教育学会や日本村に多く掲載されていますので、日々チェックしておくと良いでしょう。
養成講座に通っている方は、養成講座修了生向けの求人にも応募できる可能性があるので確認してみてください。
まとめ
資格取得前から、就職活動を意識すると普段の勉強にも身が入りますし、就職活動も早くスタートをきれます。
新型コロナウィルスの影響により、日本語教師に求めらるスキルも変わってきています。就職活動前にITスキルを身につけることも就職活動をする上で必要になってきています。
何故、日本語教師になりたいのかをしっかり自分の言葉で説明できるようにしましょう。